ダイエットブログ

50kg目指して日々奮闘中!

構築を振り返る

旅行、他の人が行ってるといいなぁ~ってなりますね。僕はインドのゴアにある教会群に行ってみたいです。アラビア海を望む白壁の綺麗な聖堂が並んでいるらしい。

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あと北陸にも行きたい。あと大阪。

はじめに・記事の概要

「強いカードピック出来てデッキもそれなりにまとまってる気がするけど結果が全く振るわなかった」という経験がある人、それなりにいるのではないでしょうか。こういったケースでは、「そのデッキがされて辛い動き」を立て続けに通されて負けていることが多いため、「(噛み合い・引き・流れ)が悪かった」という結論に行きがちです。それが間違っているとは言いませんが*1、実のところ構築段階で負けが決まっていたのかもしれません。本記事では妥当なカード評価による構築の見直しの体系化を目的にしています。*2

0章:カードが強いだけのデッキは何がだめなのか

至極当たり前の話ですが、強いカードが多く入っている方がデッキとしては強くなるはずです。下に添付したデッキも、1-1で阿修羅ムカデを取り、優秀な小型と横並びシナジー、盤面優位を固定するような終盤の札が取れているためデッキとしての一貫性も保てているように見えます。見えますが1-2で負け越しています。つまりピックが良かったから勝ちみたいな単純な話ではなかったのでしょう。ではこのデッキのどの部分が二敗させたのでしょうか。

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プレイが下手とかそういう話はいったん無しで頼む✋

実はこのデッキの弱さは、先ほど強みとして言及した一貫性にあります。「横並びをすれば強い」の裏返しは「展開に失敗すれば負ける」であり、実際の対戦でもプチョヘンザに序盤の有利をひっくり返されて負け、小型を処理されてムゲンクライムが達成できず負けという感じで、見事に弱点を突かれています。

強いとされるカードを集めたのに負けたみたいなパターンはおおよそ①カード評価時点でミスをしている、②デッキ構築段階で弱点が一貫しており、それをカバーできていないのいずれかに分けられると考えています。

1章:カード評価時点でのミス

本章の要旨

カード評価を間違えているとピックが歪み、必然的にデッキは弱くなります。それを防ぐために行うのがカード評価です。よく絶対評価相対評価の二つがあると言われていて、相対評価絶対評価よりテクニカルだと思われていますが、それは事実ではないと私は思います*3。実際のところ、多くの人が相対評価を過信し、絶対評価で躓いています。本章では、絶対評価の方を取り扱い、躓きの原因を探ります。

絶対評価

絶対評価は、カードの長所と短所から、それが独立して強いか弱いか判断する評価法です。長所は大体読めば書いてあることなのでわかりやすいですが、反面、短所の方はテキストを読むだけではわからないため、難しいです。例えば、≪龍仙ロマネスク≫の三色は長所にも短所にもなります。また、≪ガンリキインディゴカイザー≫は非常に有力なカードですが、即座に盤面干渉ができないというところは短所であると言えます。ここからわかるのは、同じ文言でも長所から短所に代わることがありますし、それゆえにどんな強いカードにも短所を見つけることができるということです。

先述した「強いカードピック出来てデッキもそれなりにまとまってる気がするけど結果が全く振るわなかった」という経験は、こうしたカードの短所への注意不足によって起こっているということが、実は多いのです。短所が一貫していると、きつい動きをされた時にそれをカバーできず手札が腐り散らかして負けますし、序盤にリスクを取る構築なのにそのリスクをカバーできないピックをするのは、試合を投げているようなものです*4

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基本、カードには「できること」しか書いていない。このカードもテキストには「できること」しか書いてないが、どう見ても弱い。ということはどこかにこのカードの短所が隠れているということである(8000個ぐらいあります)。
絶対評価のやり方

その絶対評価とやらはどのように行えばいいでしょうか。適当に点数をつけても評価は深まりません*5。難しいことをする必要はなく、カードの長所と短所を書き出してみましょう。こういうことを言うと難しめの言葉を使って抽象的な評価を下そうとする人が多いのですが、初めに挙げる長所と短所は具体的であればあるほどいいです。「どういうタイミングでプレイしたいか、したくないか」を考え、そこから抽象的なところに考えを進めていったほうが、自分の体験に紐づけやすいですし、再現性の高い評価ができるので幾分正確です。むしろ、具体的な盤面の検討が出来ていないと、ここを大きく取り違えてしまいます。事前評価のミスはここから来ていることが多いです*6

では試しに二枚のカードについて絶対評価をしてみましょう。

 ①≪ニコル・ボーラス≫

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長所と短所が見えやすい例として考えています。

長所:3色持ち、7枚ハンデス、置き除去、ドラゴン、青のドラゴン

短所:3色持ち、8マナでSAなし、パワー7000

あたりが挙げられます。ここからさらに

・3色持ちはメリットかデメリットか。

・手出しは許容できるのか。

・≪ボーラス≫が出せない盤面とはどのようなものか?

といった疑問を作っていきます。最終的にこのカードにどういった評価を下すかは自由だと思いますが、体系だった手順があるとブレないと思います。

②≪ツルーマン将軍≫

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漠然と「弱い」認定されていますが、ではなにが弱いのでしょうか?

このカードは

長所:トリガー持ち、キリフダッシュ③、除去+盤面、5000火力、(ジョーカーズ)。

短所:手打ちできない、5000火力、他とのシナジーを期待しづらい。

あたりでしょうか。ほかにもあるでしょうが。ここから

・5000ラインで焼ける対象は?

・7コストでプレイすることがありえるか?

・キリフダッシュでの運用

・トリガーでの運用

についてさらに検討し、結局どういうカードなのか定義づけてみましょう。≪ツルーマン≫はほかのトリガーと比べると見劣りする部分が多く、長所の見えづらいカードではありますが、具体的な部分から検討していくことで特徴をつかみやすくなるのです。

カード評価では視点の多さが武器になります。その武器を正しくそろえる上で、具体的な検討が役に立ちます。

2章:デッキ構築段階でのミス

ここではデッキ構築段階で勝ち試合をこぼしている可能性を考えます。ここでは五つの要素に分けて話をします。数字が小さいほうが問題が根元にあるイメージです。

要素①:「強いカードをピック出来た」というのはそもそも勘違いではないか

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爆発の罠ピックしてる人全員こうなります(爆発の罠はピックに値しないので)

そもそもそのデッキには本当に強いカードが入っていたのでしょうか?舐めてると思う人もいるかもしれませんが、おそらくこれが最も頻繁に発生しています。強いカードを見逃して大したことないパワーのカードをピックし、それと相性のいいカードを何枚も取っていった結果、ほかの3人より一回り弱いデッキに仕上がってしまう。当然パワーの差で負け。思い当たる節があると思います。このミスの回避に役立つのが絶対評価の見直しです。勘違いを引きずっていると負けに再現性が出てしまうので、負のスパイラルにドボンです。

ちなみにここで画像を出している≪爆発の罠≫は、2マナで2点AOEと、書いてあることは一見すると強そうですよね。しかし、これは取る価値のない弱いカードです。看板通り”罠”です。テキストにある「秘策」相手の攻撃に反応して自動で起動するカードなので*7、相手は単騎で殴る、横並びを作って殴らずにターンを返す等のプレイによりこのカードを容易にケアすることができてしまうのです。AOEは刺さるタイミングにプレイすることで莫大なアドバンテージ差をつけることができますが、そのタイミングを選べない≪爆発の罠≫は弱いというわけです。「相手依存のカードは弱い」というやつですね。

要素②:役割の似たカードばかり取っていないか

 ①に近い要素ですが、こちらはデッキの出力自体は高くても起こりうるという点で若干の違いがあります。「除去がかさばった」とか「武器被り」とかそういうのはこれに該当します。強いカードが「強い」と評されるのは、他のカードにできないことをやってのけるからであって、絶対に腐らないからではありません。デッキの方向性を寄せることは確かに必要ですが、それは同じようなカードをかき集めただけで成立するものでもないのです。ピックの序盤で受けを広くすることは今ではセオリー視されていますが、これはこの類の失敗を避けるためというのが本来の目的にあります。

要素③:弱いカードをデッキの軸にしていないか

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従来は8マナを基軸にデッキが組まれることが多かったためそれらに対するプレッシャーという役割があったが、現在のプールでは6マナの存在感が強いためやや評価を落としている。このバージョン(というかこの時期の光り物)発色良くて好き。

 ≪パーフェクトギャラクシー≫を軸にするなとは言ってません。キュードラではカードの取り合いになるためしょうがない側面はありますが、出目が弱いときは受けを広げておくのも寄せておくのもリスクがあります。具体例を出すのが難しいので詳細は控えますが、やたらトリガーを取らされているときなどはこのミスに陥っていることが多いです。

要素④:現実的なマナカーブなのか

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マナカーブがちゃんとしてれば強いけどそうじゃないと弱いみたいなカードの典型。

勘違いしてほしくないのが、「初動をいっぱい取れ」と言っているわけではないということです。むしろ重要なのは「強い動きの前後を弱くしない」ことです。特にキュードラのような1ターンを1アクションで終える頻度の高いゲームにおいては、どうしても隙のターンができやすいです。そうなると、序盤にマナブーストをしても多色濁りや想定していない相手の動き等のためにその恩恵を受けられない場面はそこそこあります。

また、構築で言われるような2-4-6だったり3-5-7だったりというマナカーブも、キュードラをはじめリミテッドでは上振れの部類に入ります*8

そういうわけで、6-7-8や5-6-8のような、「強い動きの前後を弱くしない」ことが必要になるのです*9

要素⑤:色配分は適切か

色配分は見返す際に目につきますし、「色が少ないから引けなかった」というのは説得力のある説明にに見えます。が、あまりにも取らなさ過ぎた場合を除いて、色のために弱いカードに寄せたほうがいいとは言い難いです。というか、このケースの原因として一番多いのは妨害ピックに失敗していることなので、採用予定だったカードを捨て札にして、妨害ピックをおとなしくデッキに突っ込んだ方がマシです。

 

 休憩地点

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そんなことがあり得るのか?

 

[補足1]デッキの出力を下げる

そもそも、勝ち負けがあるゲームという前提を考えると、デッキの出力を下げるというのは変ですよね。ただここで誤解しないで欲しいのは、「デッキの出力を下げる」のと「弱いデッキにする」のとは完全に別物であるということです。やみくもに絶対評価に逆らったピックをしても負けたがりになるだけです。絶対評価によるピックに違和感を感じたとき、自分なりの根拠を見つけて行うのが「デッキの出力を下げる」選択であると言えます。過去記事で「赤青ミッツァイルの≪ザババン≫は最強ではないが最適なカードだ」みたいなことを書きましたが、これはそれに近い話です。

「デッキの出力を下げた」ケース(ハースわかんなくてもワンチャン耐えるかも)

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≪呪術≫をスルーして≪鬼軍曹≫をピックし、ある程度うまくいった例

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挑発:「相手はこれしか攻撃できない。」
≪呪術≫自体は除去耐性を無視して相手のミニオンを無力化できる強力な呪文です。

一方、≪鬼軍曹≫は通常毒にも薬にもならないです。

上の画像では、16枚目*10に提示された≪呪術≫、≪鬼軍曹≫、≪オーガのメイジ達≫の三択から≪鬼軍曹≫をピックしました。本来*11であれば確実に≪呪術≫を取るべきですが、いくつかの根拠*12をもとに二枚目の≪呪術≫を避けました。結果これがうまくいき、後攻でのテンポの取り返し等で≪鬼軍曹≫は活躍してくれました。

[補足2]評価が実戦にどのように関わるのか

ここまで読んで*13「1枚1枚評価するの意味なくない?」と言いたくなるのもすごくわかります。ここでは実際に想定される反論に対しての説明を軽くしておきます。

反論1:細かい評価をしなくても勝っている人はいる

「見る目がある」人が時折いるのは事実だと思います。が、知識や経験の蓄積なしにそういった能力は得られるものではありません。それに、一度丁寧にやっておけば後々の効率の良さにも寄与します。

反論2:実際に触ってみた方が早い

 テキストがわかりづらい、新ギミックであるといった事情がある場合は試した方が早いでしょうが、そうでない場合、複数のカードの使用感を同時に知るのは大変な作業になってしまいます。804326952×212523を解くとき、愚直に計算するのではなく800000000×200000を先に計算しておくと計算の負荷が減ります。それと同じような効果を期待できるのがカード評価の利点の一つだと思います。

おまけ(絶対評価の練習)

それぞれがどのくらい強いか定めたうえで比較してみましょう。意見は割れていいと思うので解答みたいなものは特に用意してません。

≪フェアリーライフ≫と≪達閃≫ではどちらが強いですか?また、それはなぜですか?

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≪ドロキオ垓≫と≪早撃人形マグナム≫ではどちらが強いですか?また、それはなぜですか?

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比較の仕方が難しいかもしれませんが、まずはそれぞれの評価を細かくしてみてください。
蛇足(ハースわかんないと絶え)

絶対評価一番強いのはどれでしょうか。

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どれが一番強いかわかったとして、それをピックするかはまた別の話である。

 

 

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*1:というか普通にそれでいい。この記事はそれでは納得できない人向け。

*2:こういう記事はあとあと読み直して「ここ全然違うじゃん」ってなりがち。あくまで現時点での考えという認識でお願いします。

*3:ここはそのうち書くかも。

*4:ただし、これもデッキパワーが担保されている限りにおいては間違いではない。黒緑速攻は特定のカードをプレイされると絶対に勝てなくなるが、それを根拠に黒緑速攻を弱いデッキと断じることはできない。

*5:深まらないし、それを絶対評価とは呼ばない。

*6:事前評価に裏切られた記憶を思い出してみると、具体的な使い方だったり実現性だったりに考えが至っていなかったケースが多いのではないだろうか。

*7:自動で発動する罠カードと考えると近いかも。

*8:3-5とか4-6とかは結構あるけどそれ前提のデッキを組めることは稀

*9:モルトの記事で6マナが重要と書いたのとつながっている。

*10:30枚中

*11:≒1-1。

*12:①既にデッキ内に一枚目の≪呪術≫を含む除去札が多めにあったこと、②低コストミニオンのスタッツが低めなので盤面が残りづらく、0/1のカエルを即座に処理できないことによるテンポの喪失が考えられること、③シャーマンというクラスのドローが非常に弱いこと、④勘

*13:ここまで読んでる人いるのか?