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環境概観(カードプールとピック傾向から)

 

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単純比較できない二枚のカードにどのように優劣をつけてますか?という話を後半でします。

目的

先日とったアンケートと直近の戦績が振るわなかったリストから、ピックと戦績のつながりについて考えていきます。EXライフ追加以降、プール内に明確に弱いカードがなく、敗着が見つかりづらくなっているように思います。実際、筆者もカードは強いのに残念なデッキを最近組みがちです。そういったエラーに対してうまく見通しを立てられるようにするのが、本記事の目的です。

つまり、ここでは大負けしない方法を探るのであって、6-0は目指しません。

 

2022/1/17現在のカードプール

青入りアグロvs緑入りコントロールの二強環境

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こいつらが入ってるデッキの勝率めっちゃ高い気がする。まあそりゃそうか。

カードパワーが上がったためしょうがないとは思いますが、ミッドレンジに比べアグロとコントロールの存在感が強いと思います。アグロ側はデッキ内にSAを大量に採用することで半端なコンシードプラン(笑)を粉砕できますし、コントロール側は理想的な動きをするために要求されるBANの枚数が少ない*1ことと高マナ域のクリーチャーの詰ませ性能が軒並み高いことの二点から、高勝率をキープしているように感じます。

初期のキュードラではコントロールの色であったクローシスも、現在ではゲームスピードをより早めてアグロ寄りのアーキタイプに変化しています*2

一方で、コントロールデッキはその圧倒的な出力から最も人気があり、そして最もターゲットにされています。最近のBAN状況を見るにそれは明らかでしょう。ターゲットにされているとはいえ、数枚BANされた程度ではEXライフが強いという事実は変わらないため、普通に強いデッキとして上位デッキに鎮座しています。

こうした事情があって、ミッドレンジ系のデッキはアグロとコントロールの両方に強く出る構築を完成させることが難しく、大勝ちするのが難しくなっているようです。

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アグロに寄せると≪メヂカラ≫とかで詰んでコントロールに寄せるとトリガー薄くて負けちゃう。

全体としては低速化の傾向

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このへんの強い中盤のカードがいなくなったおかげで、4-7tあたりのリソース管理に気を遣わなきゃいけない雰囲気を感じますが、この点に関してはよくわかんないです。

今回プールから消えた上の二種類のカードは、基本的に裏目っぽい裏目の存在しないカードです。したがって、これらはいわば「取ったもん勝ち」であり、中盤の差を強力な大型クリーチャーで拡げまくって制圧するというかなりわかりやすいゲームができるようになっていました。代わりに「やばそうなカード」枠で≪ブロンズ1≫が追加されましたが、暫定そこまで大暴れしていないようです。

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「青銅」または「ブロンズ」と名前にあるカードをすべて挙げよ(多分8種)。

≪ブロンズ1≫というカードは単体ではそれほど強くない代わりに、「ディスペクターの早出しによる早期勝利」というとんでもない地雷を抱えています。とはいえ盤面にいなければこの地雷が爆発することはなく、結局この効果を上手く使うためには後半にプレイする必要があります。≪ブロンズ1≫は≪遊戯の超人≫よりはマイルドなカードなのかもしれません*3。こういう部分から、≪遊戯の超人≫のせいでたまに発生していた「強いカード投げるだけゲーム」はなくなり、盤面でにらみ合いがちになっているのかもしれないと想像できますね。

2022/1/17時点のピック傾向

 現環境の概要をつかんだところで、現在のピック傾向についても見ていきましょう。カードプール×ピック傾向で考えることは、このゲームについて理解するのにある程度寄与すると思います。これを見るために、カード評価について考えていきましょう。カードをピックするときには、多かれ少なかれカード評価を介しています。どのようなピックがされているかという事実から、ピックの傾向が類推できるというわけです。

前置き:カード評価の根拠とは?

ここでは、母数の大きいデータを用いて、今説明したカード評価の観点について補足していきます。HSReplayでは、あるカードに対して、「それが採用されたデッキはリミテッドルール内で平均勝率何%か」が数値化されており、それを自由に検索できます。リミテッドでは30枚すべて同じデッキが組まれることはありませんから、「謎のカード束X(29枚)」と組ませて勝率の高かったカードがいわゆる強いカードと見なせるという発想で、この数字はアリーナのプレイヤーの間で重視されています。この数値をデッキ勝率(Deck winrate)と呼ぶことにします。

ここで二つのカードのデッキ勝率を比較してみましょう。≪ストームウィンドの勇者≫と≪傷を負ったトルヴィア≫です。前者は常在効果で自軍を+1/+1するうえ、自身も7/7と高スタッツなので有利状況を「勝ち」に容易に持っていけるカードです。一方、後者は挑発*4こそついていますが2/2/3はスタッツとしては平凡です。

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≪トルヴィア≫は着地時に自身に3ダメージ当てるので、実質2/2/3の標準スタッツです。

話だけ聞くと前者の方が強そうです。実際、前者は後者より4000回多くピックされています。しかし、実際には前者は61.3%、後者は62.1%であり、後者の方がデッキ勝率が高いのです。この0.8%の差は意外と大きく、両者から12000戦ずつ抽出した場合、平凡な小型である≪傷を負ったトルヴィア≫のほうがフィニッシャー≪ストームウィンドの勇者≫よりも100勝分も貢献しているということになるためです。

hsreplay.net

ではなぜ、このような誤解が生まれるのでしょうか?それは、ここにあるもう一つのパラメータのためなのです。それが使用時の勝率(Winrate when Played)とここで呼ばれているものです。それぞれの使用時の勝率は≪勇者≫が65.7%、≪トルヴィア≫が58.3%と、≪勇者≫の圧勝です。しかしこの数字は何の参考にもなりません。なぜなら、使用時の勝率というのは、単体のカードパワーとは離れたところに存在する数字だからです。≪勇者≫をプレイするような盤面というのは、既に盤面が勝っているときしかありえませんが、≪トルヴィア≫は優勢劣勢にかかわらずプレイする可能性があります。ここで≪トルヴィア≫の使用時の勝率が低いのは≪トルヴィア≫のせいではなく、ゲーム展開全体から見たときの何らかの事象によるものでしょう。

ハースストーンで説明されても……となっているでしょうから、DMで考えてみましょう。一昔前のマーシャルループ(アレフティナ型)を想像してみてください。このデッキ内の≪海底鬼面城≫と≪アレフティナ≫のどちらが強いか考えてみましょう。

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一回だけ黒緑速攻に≪アレフティナ≫素出ししたことある(負けた)。

まず使用時の勝率に沿って考えてみることにします。≪アレフティナ≫は盤面に出た時にはほぼほぼエクストラウィンが確定しています。したがって、≪アレフティナ≫の使用時の勝率は100%に近い数字となるでしょう。一方で≪海底鬼面城≫を貼っただけでは勝負が決まることはありません。したがって、≪海底鬼面城≫の使用時の勝率は、マーシャルループというデッキの勝率より少し高い程度に収まるでしょう。ではこの事実から「≪アレフティナ≫は≪海底鬼面城≫より圧倒的に強い」と結論づけるのは妥当でしょうか?そんなはずはありません。マーシャルループというデッキは≪アレフティナ≫がなくても成立していますし、一方で≪海底鬼面城≫がないことでTier上位に来れるデッキではなくなっています。使用時の勝率に準拠してカード評価を行うと、このように実情と真逆の結論を導きかねないのです。

次にデッキ勝率から考えてみましょう。39枚同じデッキに≪海底鬼面城≫か≪アレフティナ≫どちらかを入れて対戦をした場合、勝率が高くなるのはどちらでしょうか。後者であるという考えに至る人はほとんどいないでしょうし、実際、そうはならないでしょう。

ピック傾向

本題に入ります。カードプールだけで対戦結果は決まりません。実際には、ピックとBANという、一人当たり48回の意志決定によって対戦結果は大きく決定づけられています。ここからは、実際のカード評価を見ながら、最近のピック傾向について考えていきます。

先日、「どっちを採用した方がデッキの勝率が上がると思いますか?」という文面で4つほどTwitterでアンケートを取ってみました。つまりここで聞いていたのは先ほどの話でいうデッキ勝率だったわけですね。「同居することのないカード同士の比較を、他の人はどのように行っているのか?」というのを知りたかったので、4問立てで作ってみました。結果を見ながら見ていきましょう。

まず≪Reライフ≫と≪ライフ≫の比較です。≪ライフ≫を踏ませればシノビの受け入れが広がるが、返しに強いアクションがあるならガードストライクで十分といった感じで≪Reライフ≫に偏った感じでしょうか。

次に≪ブランキー≫と≪ゴルドーザ≫の比較です。同数になりました。ここは本当に拮抗しているんですね。≪ブランキー≫は5コストにつなげる役割が強く、≪ゴルドーザ≫は3tまでの動きを強くする役割が強いと思っているので、デッキに対する好みが出ているのかもしれません。

三番目は≪ツルーマン≫と≪ザビバレル≫の比較です。いかにもピックの最後の二択という感じの二枚を選んでみました。能動的に動けて一応トリガーもついている≪ツルーマン≫に偏りましたが、様々なカードとの噛み合いがあるのは≪ザビバレル≫なのでその点を重く見る人にとっては、≪ザビバレル≫の方が勝ちに貢献しているイメージだったのでしょう。

最後は≪ギャイア≫と≪コダマンマ≫の比較です。結果から言うと≪ギャイア≫に大きく偏りました。この結果は面白くもあり、また最近のピック傾向の現れでもあると思います。結論から言うと個人的にこれは≪コダマンマ≫一択であり、ここまで≪ギャイア≫に票が集まるのは、ピック時点でコントロールへの強い偏りがあるからです。この結論に向かうために、評価を見直したうえで、適性のあるデッキについても、それぞれ見ていきましょう。

まずは≪ギャイア≫から。

長所:ロック範囲がめちゃくちゃ広い。マナから召喚する効果のおかげで弱いリソース札に頼らなくてもゲームができる。単色。

短所:ワンアクションになりやすい。プール内に蘇生呪文が複数あるが、それらのどれも対象でない。単色。

適性のあるデッキ:緑入りコントロール

次に≪コダマンマ≫を見ていきます。

長所:2tのクリーチャーとしては最強格。アグロ適性が非常に高い。

短所:絶対に出してはいけないタイミングが頻繁に訪れる。アグロを組むという行為自体がリスキー。

適性のあるデッキ:アグロ、ミッドレンジ、緑抜きコントロール

ここまで見て気付いたでしょうが、≪コダマンマ≫は≪ギャイア≫と比べて圧倒的に活躍の場が広いです。これの理由は単純で、≪コダマンマ≫はコストこそ軽いものの、着地時に手札を補充できるために+αの動きをしやすいからです。確かに≪ギャイア≫が着地したゲームの多くでは≪ギャイア≫側が勝利しているかもしれません。それを根拠に≪ギャイア≫に票を入れた人もいるでしょう。しかしこれは使用時の勝率に準拠した評価です。これが危ういということは先ほど確認しましたね。「≪ギャイア≫が着地したゲーム」というのは、「≪ギャイア≫に向けた下準備が十分にできたゲーム」であって、「お互いが8ターンドローゴーした後にギャイアが飛んできたゲーム」ではないのです。

ピック傾向が使用時の勝率に偏っている可能性

 まとめると、≪ギャイア≫は使用時の勝率が高いカードであって、デッキ勝率を高めるカードであるかは、考えなければならないということです。ピック傾向として、「ゲームを決めていたカード」が先に取られ、そうでないカードが残るというのが見受けられます。しかし、早く取られるからといって必ずしも強いカードではなく、残っているからと言ってすべて弱いカードとも限らないのです。実際、4周目まで残っていたカードを上手く組み込んだデッキに一泡噴かされた経験は誰にでもあるでしょう。こんなこと考える時間あるのは筆者だけでしょうが、今一度強いとされているカードの何が強いか考えてみるのも有意義なのかもしれませんね。

まとめ

土岐麻子は歌がうますぎる。

open.spotify.com

*1:≪弾丸リュウセイ≫とアグロの強い札適当に抜けば終わり。

*2:昔は≪グレンモルト≫が殴るデッキを定義づけていたため、それを躱しつつやりたいことを通すとなるとどうしても7マナ以上に到達せざるをえなかったという事情があります。まあ本筋じゃないのでこの話はここまで。

*3:保証はしません。

*4:ブロッカー、守護、におうだち