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ファーストピックとは何か

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Mr.「ファーストピックなら強い」。でもなんでそう言われているんでしょう?

ファーストピックって結局何?

キュードラをやっていて一番聞く嘆きといえば「俺ファーストピックこれだよ?ヤバくね?(弱いカードを見せてくる)」です。一方で、キュードラをやっていて一番聞くイキりというのも「俺ファーストピックこれだよ?ヤバくね?(弱いカードを見せてくる)」です。

ファーストピックという避けられない不公平を乗り越えて勝つのはキュードラの醍醐味です。しかし、このFPというものがどのように重要であり、それがどういうものであるかはあまり議論になってきませんでした。ここでは、それについて改めて考えてみることにしましょう。

今回は、ファーストピックに対するメジャーな考えにまず反論します。その途中でファーストピックで重視されていることを明らかにします。その後、ファーストピックがなぜ、どの程度重要か考え、最後に「正しくファーストピックをする」ことが可能かについて個人的な考えを述べます。

ファーストピックは「方針決め」?

ファーストピックとは何でしょうか。その通り。ドラフトの一枚目のカードのことです。じゃあこれで説明完了!とはなりません。ここで問うていることはそういうことではありません。わざわざ「ファーストピック」などというたいそうな名前がついているこの一枚目のカードには、どのような意味があるのかというのが、本章でのテーマです*1

よく言われる説明に「FPは方針決めだ」というのがあります。一枚目で≪ギガンディダノス≫が取れたらまっすぐコントロールに行けますし、≪ブランキー≫が取れたらまっすぐアグロよりのデッキを組むことが許されます。これはいかにもFPによって「方針決め」が為されているようです。ではそういったパワーカードによる「方針決め」ができなかったら?≪フェアリーシャワー≫をスルーして≪ヘモグロ≫のような方針だけが見えやすくなるようなカードをピックする人がどれだけいるでしょうか。

間違いなく方針は決まりますが、一枚目で積極的にピックされることはありません。「FPは方針決め」という主張を支持するならば、≪ヘモグロ≫はFPの候補として挙げられているはずです。

思うに、「FPは方針決めだ」という主張は二つの点で欠陥を抱えています。第一に、キューブドラフトに参加してデッキを組む以上方針はどこかで必ず決めているので、この主張は言い換えに過ぎません。第二に、一枚目で方針が決まらないケースは少なからずあります。したがって、そのようなケースに対しての言及がないこの主張は、十分な説明であるとも言えません*2

要は、FPは場合によっては「方針決め」ですが、それ以外の場合では「そうではない何か」の役割を担っているということです。その「そうではない何か」の中身をこれから検討しようというわけです。

ファーストピックで重視されていることは何か

FPが「方針決め」でないとすれば、何ゆえ《ギガンディダノス》や《ブランキー》を躍起になって探しているのでしょうか。それは「相手に負けたくないから」です。少しわかりにくいですね。こういう状況を想像してみましょう。

キューブドラフトのルールがひとつ変更されました。「束の中から一枚選んでとる」は今から「束を裏向きにシャッフルして上から一枚取る」になります。

するとどうなるでしょう?ほぼ確実に運良く強いカードを集めた人が勝ち越すでしょう。ルールを一つ変えただけでハチャメチャな運ゲー爆誕してしまいました。

ではなぜこのような事態に陥るのでしょうか?答えは単純で、ある程度強いカードを枚数取れたらそれだけで勝てるゲームだからです。FPで強いカードを取らないことは、それだけで機会損失__強いデッキを組む権利を破棄する行為__になっているのです。

このことは別の側面から見ると、キューブドラフトというゲームにはそもそもあまり技術介入の余地がないということになります。これは「キュードラは運ゲー」だと言っているのではなく、技術介入を正当に反映するほどの試行回数と再現性が3-6戦では正当化されないということだと筆者は解釈しています。

色々書きましたが、FPに求められていることはカード単体の強さに他なりません。それによってデッキの方針が見えなくとも構わないのです。なぜなら、他の人もまだ方針らしい方針が立っていないか、「方針」に囚われているかのいずれかだからです。

ファーストピックはどのように重要なのか

現在のキューブドラフトではカードの束を回す作業を3回繰り返しています。そしてそれぞれの回で、最初にピックするカードのことをFPと呼んでいます。

FPは以下の2点において強い意味を持っていると言えます。

  1. 2枚目以降のピックに理由付けをする。
  2. 他の3人よりデッキの出力で劣る可能性を減らす。

1.は、実際のところこの一文に集約できるほど簡単なものではありませんが、重要度でいえば2.より高いので、このような順番で並べています。

FPの意味①:2枚目以降のピックに理由付けをする。

カードをピックするとき、それは決してランダムに行われるのではなく、何らかの理由を伴って行われています。下のスライドの例で言えば、「≪超次元の王家≫を取れているからアグロを組むことができるかもしれない」と考えて、右の三枚は候補に挙がってきます。特に、≪リュウセイリボルバー≫は7コストと少々重いですが、≪超次元の王家≫のドロー効果の恩恵を受けて安定してプレイできると見込まれ、採用線上まで上がってきています。ここでは、右の三枚が「FP:≪超次元の王家≫」によって理由付けされているのです。しっかりとした理由付けが継続的に行われたデッキは、そうでない40枚のデッキよりもまとまっていますし、その分再現性も高いです。FPが強いデッキが勝ちやすいのは、単なるデッキパワーのみならず再現性の高さにも因っているのです。

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大学で一度もパワポを使わなかった男のクソザコスライドを見てくれ

上のような例は、プール内でも屈指の強力なカードを一番最初にピック出来ているという理想的な状況なので見通しが立ちやすいです。実際はそううまくいくこともなく、何とも言えないカードを取らされることの方が数としては多いでしょう*3。では強いカードをFPできなかった/しなかった場合にどのようになるか見てみましょう。

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流石にここまでコケる人いないけどわかりやすさ重視。

1-1で≪予言者ジェス≫をピックした場合、≪ジェス≫のカードの弱さ・シナジーのなさのために、二枚目以降のピックに何らかの明確な基準を設けることが不可能になってしまいます。そのため、他の三人よりもデッキとしてのまとまりを見出すタイミングが遅れ、「デッキじゃない」束を組むことになりかねない、というわけです*4

FPの意味②:他の3人よりデッキの出力で劣る可能性を減らす。

こちらはイメージしやすいでしょう。というか、「前述の通り」で終わらせてしまってもいいかもしれない部分です。

ランダムにピックするルールが導入された先程の例に立ち返ってみましょう。もし、ここから更に「一枚目だけは自分で選んでピックする」というルールに変更された場合、恐らくは全員束の中で一番強いカードを取るでしょう。噛み合いを考えて《フェアリーシャワー》を取るのはあまりにも危険だからです。

ところで何が「危険」なんでしょうか?それは言わずもがな自分が《フェアリーシャワー》しか撃てていない間にやれ《サッヴァーク》だのやれ《サイクリカ》だのをぶん投げられることですよね。

この「危険」さは15/15自分の意志でピックできたとしても変わるものではありません。強いカードをFPで獲得しておくことは、相手のデッキの危険性を下げることにも繋がっているのです。

まとめ

FPは二種類の安全性を担保するために行われている。

  1. デッキがきちんと成立する確率を高めるという意味での安全性
  2. 相手に一方的なゲームをされないという意味での安全性

ファーストピックはBANや2-1、3-1よりも重要か (未完成)

書くの疲れたので結論だけ。そのうち肉付けします*5

BANの方が重要という主張

BANが試合に与える影響が少なすぎるのでさすがにそんなことないと思います。《アマテラス》がプレミアム殿堂入りするのと《アマテラス》がBANされるのではだいぶ意味合いが違いますよね。

二周目以降の方が重要という主張

議論の余地があります。二周目以降の方が技術介入ができるのは間違いないですが、それによって「勝率に影響する」と主張するのは言い過ぎな気がします。

ラーメンのメンマはラーメンのクオリティに影響しますが、このことによって麺やスープよりメンマの方がラーメンにおいては重要だと主張するのはやりすぎですよね。

「正しいファーストピック」は存在するのか(未完成)

今度書くけど多分存在しません。不特定な情報が多すぎるので「正しさ」が最後まで担保されることはあまり考えられないでしょう*6

結論

初任給入ったらあんず会あります。

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*1:以下ファーストピックをFPと表記する。

*2:これは特定の発言へのDisではなく、より良い説明を試みるための整理であるということを念押ししておきます。

*3:この考えはBANについても援用することができるでしょう。

*4:この議論に対しては、「FPは有望な方針を探す行為だ」と反論することができるかもしれません。ただ、筆者的には"有望な"というのが「後続の理由付けが成立する可能性が高い」という意味に思えてなりません。

*5:平日気力無さすぎてワロタ

*6:デフレして《サッヴァーク》だけ生き残ったこの間のプールでは《サッヴァーク》が唯一正しいFPになっていましたが、まあそういうこともあります。