ここ数か月、キュードラを触ってみてどうだったみたいな話をちょくちょくしてきました。しかし、そもそもどれが強いカードなのかみたいなのを前提にしてしまっていたので、最近やってなかった人には不親切設計だったかもしれません。なので、ここではそういった部分の補足をしていくつもりです。
提供:さいころ
ファーストピック編
ファーストピックとは
1-1でピックするカードのこと。2-1、3-1でも似たような方針が採用されることが多いですが、現状のデッキとの兼ね合いの部分がより大きいので、ここでは一番最初にピックした場合に、まっすぐ手を進めても勝負できるデッキになるカードの評価を高くしています。
評価の方法と数字の意味
評価方法:独断と偏見
数字の意味
10:全勝が狙える強力なデッキタイプの核。
9:デッキの核としての強い使い方が複数存在し、かつ同等の役割を果たせるカードが他にいない。
8:一枚でゲームを決めうる性能を持つが多少状況を選ぶ。
7:デッキの核にはならないがカードパワーが高い。
6:カードパワーは高いがデッキを確定させられず、リスクも高い。
5:以上のカードが一枚もない場合の回避手段として無難。
以上のようにランク付けを行いました。7以下から選ばなければならない状況はあまりないと思われます。
白
青
黒
赤
緑
多色・無
BAN編
重要な前置き……BANのルール
BANは、1-1、2-1、3-1と同じタイミングに、それぞれ一度ずつ行われます。
各プレイヤーは、ピックとは別に、ゲームから除外するカードを一枚ずつ選びます。
ドラフトしたカードと除外するカードのピックが全員分済んだら、次の人に束を渡します。
このとき、BANを公開する場合としない場合があります。それぞれで若干セオリーが変わるでしょうが、本記事でのランク付けはそれの影響をあまり受けないと思われます。
何をBANするべきなのか
BANの基本的な方針についてはすでに記事にしています。( 身内からアドを取ろう - ダイエットブログ )そこでは、どのようにBANするかについて以下のように区別しました。
- 自分のデッキの動きを相手より強くしたい。
- 天敵となるアーキタイプを潰したい
- プール内での特定のカードの価値を落としたい
- 自分ができない動きを相手にされたくない
- このカード強いらしいけど俺うまく使えない
この部分に変更点はないのですが、これはあくまで方針であって、「守備的に戦おう」とか言ってるのと同程度に抽象的です。ですので、今回はカード単位でどのようなものを選ぶべきか見ていきます。BANすべきカードには、大まかに以下のような種類があるように思われます。
- ア:プレイされることが試合の勝敗に直結する。
- イ:プレイや採用カードでケアするのが難しい。
- ウ:競合ないし不利をとるデッキの核になってしまう。
このような種類のカードをBANすべきという前提を共有したうえで、ここからは、次のようにBANされるポテンシャルのあるカードを区別していきます。
A:なにをピックするかにもよらず見たらBANすべき。
B:必ずBANしなければならないわけではないが、危険。
C:特定のデッキタイプを目指している場合BANすべき。
BAN評価表
評価方法
独断と偏見。筆者は先殴りするデッキを組みがちなのでその要素が混入していることを加味したうえで見るといいかも。
白
白はFP級のカードが少ない代わりにBANの対象となるような脅威的なカードが多い印象です。そしてそれらの役割もわりとバラバラです。白でなんとなくデッキを固めると負けがちなのはこういう事情に因るのかもしれませんね。
白ーA
≪ガウスルヴィス≫
ア、イの両方を満たす上、同速対決ではこのカードの有無が勝敗に繋がりやすいため、何ならウも満たしているオバケみたいなカードです。通常環境ではアホみたいに打点が並びますがキュードラでは鍵を握る一体とその取り巻きというような盤面になりがちなので半永久的に展開を減速させられることの影響は非常に大きいです。
≪メメント≫
アとイの両方を満たします。現在プールにD2フィールドは≪ダイスベガス≫と≪ジェイルハウス≫ぐらいしかないので、貼り返せばいいという発想はそもそも成り立っていません。そもそも≪メメント≫が4コストなのに対して他のD2は5コストなので割に合ってもいませんしね。≪ミラダンテⅫ≫を主体とした中速のビートダウンなどを組む場合は、これを早めに妨害して盾を割る裏目をなくしておくと戦いやすくなります。
≪サッヴァーク≫
採用しただけで体感全対面有利になれるのでア~ウのすべてを満たしています。あんまり説明することがないんですが、最近では≪鬼札王国≫や≪ヘブニアッシュ≫のようなトリガー蘇生札が増えているのでカードプールの観点から見ても最強の一角と言えます。そもそもこれをBANしてまで取りたいカードが思い浮かびません。≪ギガンディダノス≫ぐらい?
白ーB
≪ソルハバキ≫
アに該当します。単にマナ回収であるだけでなく、一打点に計上されるというところが非常に重要です。現環境ではEXライフという謎のパワー能力が存在するため、相手のアクションへの返しに加えて1マナでEXライフへのにらみを利かせられる点でクリーチャー≪ソルハバキ≫の価値は非常に高いです。しかし、こうした運用方法は「白が入っていて」「受けに回る」デッキの特権なので、そういったデッキに強くなってほしくない場合に選択肢に上がってきます。あくまで事故回避的な役割なのでカード自体が強いわけではないですからね。
≪セイントローズ≫+≪エンドレスヘブン≫
イに該当します。≪ネバーラスト≫が一度着地したが最後、受け切ったり切り返してリーサルを作ったりというのはほぼ通らなくなります。しかも最近は8マナ域のパワーカードに目が向きがちなのでそれと戦うために7tに普通にマナブーストしてターンを返すみたいなことがよくあり、ちょくちょく致命的な一撃として機能しています。中盤構えて終盤以降1ターンに1枚強いカードを使って勝つみたいなコントロールデッキを組む際にはマストBANです。
≪灰瞳≫
アに該当します。アグロ終わらせるマンとして活躍を続けてきましたが、≪ニコルボーラス≫亡き後はコントロール同型でのリソース確保にも使われています。盤面こそ触らないので軽視されがちですが、キーカード依存のデッキであれば≪灰瞳≫を使ってでも引き込みに行く価値があるので、相手のリソースを弱くするコンセプトなのであればBANすべきです。
白-C
Cランクのカードは特定のデッキ以外ではBANの候補にあがらないので、それがどのようなデッキかだけ書きます。
≪達閃≫
BANを考えるデッキ・状況:ミッドレンジ全般。特に≪虚数転生≫や≪ガシャゴズラ≫に依存したデッキ。
≪ナンバーナイン≫
BANを考えるデッキ・状況:シールドトリガーでの受けまわしを前提にしている(シノビが取れていない)コントロールか、誰かが≪ギャイア≫か≪ギガンディダノス≫をピックしていることが確定しているか。
BANを考えるデッキ・状況:アグロ、≪ソルハバキ≫を流した。
≪ジェイルハウスロック≫
BANを考えるデッキ:アグロ。
青
サポート系の項かが多いのでAランクはいないかな~と思ったらそんなことなかったです。≪ラヴガトラー≫は他とのシナジーが薄いうえにシチュエーションが限定的なので、妨害ピックに回った方が総合的に得をしやすいです*1。そのためここでは考察の対象になっていません。
青ーA
≪サイクリカ≫
アとイの両方に該当します。≪ザーディクリカ≫というメチャつよパワーカードの後釜として投入されましたが、一度使われたカードを使い直す効果はことリミテッドにおいては犯罪級に強く、また≪サイクリカ≫自身の使いまわしも容易であるため、一枚で圧倒的リソース差を作られてしまいます。それが嫌なら自分で取るかBANしろという話です。
青-B
≪イグゾースト≫
アとイの両方に該当しますが、強い場面が限定的なので最高評価からは一つ落ちます。4コスト以下の呪文とは要するに「次ターン以降のリソースを補充する呪文」か「除去だけをする呪文」のいずれかなので、特に後者を複数回プレイされることが負け筋であるアグロやミッドレンジがBANを考えるぐらいの危険度です。
≪ダイスベガス≫
イに該当します。強い除去を抱えて既存の盤面で顔を殴り続けるという対処法は存在するものの、これで対処できるのはDスイッチのみです。これに回答を探され続けるという状況は覆らないので、アグロもコントロールもBAN候補に入れていいでしょう。
≪ハリクロ/ブレインチャージャー≫
アとイの両方に該当しますが、特定のデッキが特定の対面にのみ使うという感じで汎用性は低めなので最高評価からは一つ落ちます。具体的には主に受け切るデッキが防御手段とフィニッシャーを同時に確保する目的で採用されます。つまり、受ける必要があり、かつフィニッシャーまで投げなければならない対面:コントロールのミッドレンジ対面でのみ活躍しているカードというわけです。
青ーC
≪スパイラルゲート≫
BANを考えるデッキ・状況:ビッグマナ、コントロール。特に、一枚のカードで蓋をすることに依存しているデッキ。
プール内の除去で最も軽く、またアグロに採用されやすい色であるためぶち抜き性能が非常に高いです。現状かなり舐められていますが前のめりなデッキに採用された時のデッキ勝率は見る限りかなり高いです。
≪ガンリキ≫
BANを考えるデッキ・状況:アグロ、≪ミラダンテⅫ≫を流した。
黒
理論上最強の色です。
黒ーA
≪阿修羅ムカデ≫
アに該当します。≪エタガ≫等の採用で除去できますが一枚のためにピックをゆがめるのは合理的な選択とは言えません。よって結果的にイにも該当します。≪阿修羅ムカデ≫とシノビ、ST、もろもろの二段構えを簡単に突破できるデッキは少なく、除去しながら圧倒的に有利を築くか除去しながらリーサルを組むかのいずれかを選択するしかなくなる点でBANが推奨されます。
黒ーB
≪ジャドク丸≫
イに該当します。≪密言・死≫にドローとボディが付きましたみたいなカード。最近は早期のシールドブレイクが勝率に貢献する傾向があるのでミッドレンジより遅いデッキ同士のミラーでもそこそこ鬼タイムが発動します。アグロがほぼ確定している場合や≪ナンバーナイン≫の召喚が勝利条件の一つである場合などはマストBANです。
≪ザビミラ4世≫
アに該当します。有利盤面を勝ち確に近づける系統のカードです。現在のカードプールの4コスト以下のクリーチャーには≪デバウラ≫や≪ジャドク丸≫といった実戦級のものが多く存在し、また役割も多いです。≪イザナギテラス≫でこのカードを探しに行くこともできるため、デッキとして成立してしまうと出力と再現性の両方を備えたものになりかねません。よってこのカードを放置するのは危険であり、BANが推奨されます。
≪ガシャゴズラ≫
アに該当します。本来中盤以降役割の薄いコスト3以下のクリーチャーにそこそこの役割を与えるなかなか強いカード。これ自体のカードパワーについては一考の余地がありますが、早めにピックをされるとうまくカードを集められてしまいます。≪プチョヘンザ≫のような有効牌が取れていないのに後ろ向きなデッキを組まなければならない場合などでBANを考慮します。
≪解体≫
BANを考えるデッキ・状況:黒を採用しないコントロール、自分のデッキが十分強い。
デッキが弱くても≪ゼノシャーク≫で殴りながら≪解体≫と≪ゴルドーザ≫で頑張れば割と勝ててしまうのがキュードラなので、有利状況の際にはBANを考慮していいです。
赤
スピードアタッカーというDM最強能力を携えた色。2,3周目あたりから価値が上がっていくみたいなところがあります。
赤-A
≪ブランキー≫
現プール最強の一角。BANするぐらいなら取った方がいいまであります。
≪ゴルドーザ≫
アとイの両方に該当します。アグロデッキの出力を押し上げるカード。アグロ以外のデッキに入れてもという感じもするので、BANしたほうが自身のデッキの受け入れが広がるのかなと思います。
赤ーB
≪シューマッハ≫
イに該当します。≪シューマッハ≫をケアできる状況というのはめっちゃ勝ちそうかめっちゃ負けそうかのどちらかしかないのでしょーもなさがあります。妨害するタイミングもそんなにないのでさっさとBANするのがいいと思います。
赤ーC
BANを考えるデッキ・状況:受け札が少ないデッキすべて。
≪ヘビーベビィ≫
イに該当しますが、BANを考えるデッキが限定的なのでこの評価です。こちらの盤面を固めてLOを待つプランのあるコントロールで考慮に入れます。一方、アグロデッキの場合はBANしません。盾3枚からSAを拾える可能性が高いため、これが負け筋になりづらいためです。
緑
最強の色。BANをしても競合は現れるので何を引っこ抜くのが一番効くのかちゃんと考える必要があります。緑抜きで6-0したら連絡ください。
緑ーA
≪エスカルデン≫
アとイの両方に該当します。ピックしてください。普通に。マジで。
≪テラネスク≫
アに該当します。これを流した場合、隣のプレイヤーは「1-2でテラネスクピック」という美味しすぎる状況に出くわすことになるため、BANを強く推奨します。
≪ギャイア≫
「上手く使えないかもしれないから~」で流れがちですが、自分がコントロールをくみ上げる確率より相手の誰かがコントロールを完成させる確率の方が単純計算3倍高いので、これを放置するのは1,2勝譲渡しているようなものです。
≪獰猛≫
アとイの両方に該当します。大体何釣ってこられても有利不利がひっくり返るのでプレイされても大丈夫な状況というのは基本的に存在しません。よって見たらBAN。
緑-B
≪チームウェイブを救いたい≫
アに該当します。甘く採点してB。Aが東大理系みたいなやつばっかりなだけでこれも普通にセンター利用で早稲田行けるぐらい強いです。よく≪テラネスク≫と比較されますがこちらはマナ回収なので≪イグゾースト≫を回収して次の動きを確保したり、バズレンダ2回(8コスト)で使用して≪ウェディング≫や≪ギャイア≫につなげたりと役割が広すぎてこのカードが飛んでくることを加味してプレイすることが難しいためBAN。
≪ライフゲート≫
イに該当します。アグロを含むすべての対面から飛んでくる可能性があり、しかもケアは不可能に近いです。ただし、FPしてデッキがまとまるかというと受け入れが広すぎて難しいところなのでBANしたほうが安全です。
≪ハヤブサツイン≫
アに該当します。他の7コスクリーチャーを1000だけ超えたマッハファイターであり、さらに3面展開まで可能という圧倒的なスイング性能をもったカードです。ただし、イメージとしては超強い除去札という感じなのでFPよりBANしたほうがいいと思われます。
緑ーC
BANを考えるデッキ・状況:アグロのみ ≪鬼札王国≫などの登場で、盾からアグロを破壊することができるというほかにない役割を得たため、アグロを組む場合にはBAN推奨です。
多色
3色のカードが複数入り、それぞれが新しいセオリーを試している段階だと思います。多色を先に取った方がいいとされていますが、一周目は色を絞った方がいいという意見も見られ、多色の扱いに関してはまだ開拓中といったところでしょうか。
多色ーA
≪オーシャンズーラシマ≫
ピックしてください。
≪ラフルルラブ≫
アとイの両方に該当します。ターンが返ってきても依然呪文は使えないので、コントロール系のデッキは本当に機能停止します*2。
≪ミラダンテⅫ≫
アに該当します。これをピックした場合、カードの強さ通りでないピックをしなければならないシーンが複数回発生するため、それを嫌うならBANでいいでしょう。
≪プチョヘンザ≫
あんまり説明することないけど昔より除去が強くて多いので革命チェンジ絶対したいならSAのチェンジ元を集めるか≪カーネル≫+≪トライガード≫とかで出せるようにしとくか工夫がマスト。
≪ドケイダイモス≫
イに該当します。どのゾーンにいても強いのに着地しただけでリソースを刈り取ってくるので、遅いデッキ同士の勝敗を握っていると言っても過言ではないカードです。≪シューゲイザー≫とかには基本間に合わないのでFPでとってもデッキが安定しづらいという都合もあり、BANされがち。
≪ハチャトゥリアン≫
ピックしてください。他のAと一緒に来たときにBANするかもという話なので。
≪ギガンディダノス≫
ピックしてください。個人的に1-1でこれを蹴ることはほぼほぼないかなという気がします。
≪オリジナルフィナーレ≫
アに該当します。5マナで1:4交換をします。5マナで1:4交換をするんですか?これを使いまわすためだけに≪デバウラ≫とかを取るのが許されるレベルで強く、撃たれただけでリソース勝負に敗北するのでBANしないのはあまりにも危険です。
多色ーB
≪弾丸リュウセイ≫
イに該当します。一回流して後で拾うか~みたいなのをよく見ますが、よっぽどの確証がないかぎりこれを流すのは危険です。BANが公開制の時は利敵行為になりかねないですが、それでもBANした方がいいかなと思います。
≪メヂカラ≫
アに該当します。アグロ~ミッドレンジのデッキは1ターン止められることが致命傷になりやすいため、プレイされる可能性を先に潰しておきましょう。
≪キリンキンTV≫
イに該当します。処理順は①相手が自身のクリーチャー選択②≪キリンキン≫をプレイした側がそれの行先を指定→①‘→②‘→①‘‘→②‘‘→……です。要するに、バズレンダを繰り返すことで≪ナンバーナイン≫や≪ネバーエンド≫すらも処理することが可能というわけです。ケアできないリセットカードとして、盤面を固めてからゆっくり殴るデッキの天敵であると言えます。
≪虚数転生≫
イに該当します。下準備なしで3面展開できるカードパワーの高い呪文。山上3枚を見ながらアクション出来るので、次のターンの≪シューゲイザー≫や≪弾丸リュウセイ≫を意識せざるを得ず、返しにプチョを投げれば解決するというわけではない点も強力です。誰かがアグロで確定しているならば即BANでいいでしょう。
≪ロマネスク≫
アに該当します。テラネスクよりは需要が低いのでB。
多色ーC
≪蒼炎≫
BANを考えるデッキ・状況:デッキが強い、コントロール。
≪ホワグリ≫
BANを考えるデッキ・状況:アグロ、ミッドレンジ。
≪鬼札王国≫
BANを考えるデッキ・状況:自分もこのカードを採用したいが取れず、競合がいる。
≪ヘブニアッシュ≫
BANを考えるデッキ・状況:自分もこのカードを採用したいが取れず、競合がいる。
無
無ーA
≪ウェディング≫
アとイの両方に該当します。1-1だったらピックしてください。
≪シューゲイザー≫
アに該当します。説明要らないか。
無ーB
≪バイナラドンデン≫
イに該当します。≪ミラダンテⅫ≫すら貫通する、プール内最強のシノビです。ニンジャストライクがなんでもきついみたいなデッキであればとりあえずこれをBANしておけばいいです。